イネの突然変異育種に関する研究 : I.コシヒカリの強稈突然変異系統について
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概要
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1)水稲品種コシヒカリは品質,食味がすぐれているために銘柄品種として1973年には全国で20万ha作付されたが,耐倒伏性カミ非常に弱い欠点をもっているので,その強稈化を目的として,乾燥種子に^<50>Coを線源とするγ線を20および30kR照射した。 2)R_1は各線量10万粒ずつ苗代に密播し不稔個体、生育異常個体などを淘汰し,集団採種した。R_2では約8万個体を本田に1本植し,早生,短稈,強稈,その他の変異体1,000個体を選抜し,R_3では1系統5個体から成る穂別系統を栽培し,系統選抜を実施した。 3)R_4,R_5変異系統について形質間の関係をみると,稈長と耐倒伏性の間に正の相関がみられ,強稈系統は短稈化によることが認められた。耐倒伏性と粒重,品質,食味および収量などの問に一定の傾向は認められなかった。 4)生産力検定試験の結果にもとづいて有望系統10系統を選抜した。これらの系統はコシヒカリより10〜30cm短稈で耐倒伏性が著しく強く,収量がすぐれ,食味はコシヒカリ並に良好であった。 以上の結果から突然変異育種の規模を拡大し,識別しやすい形質を選抜対照とすることによって育種効果を高めることが出来ると考えられる。
- 1975-02-28
著者
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