米質関連形質の遺伝
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概要
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1.イネ育種の選抜形質として収量性, 耐倒伏性とならんで米の商品性が重視されてきたことにかんがみ, 玄米品質に関連する形質の遺伝的な知見をえようとした。2.良質品種と腹白多品種との交雑F_1, F_2世代の腹白歩合の変異は, F_1では中間親の値, F_2では両親の巾を超えて広い頻度分布を示し多数の同義因子の関与が推定された。3.品質の異なる品種を親とする6組合せのF_2集団につき綜合的な品質判定規準によって分級してえた頻度分布からも多数の同義因子の関与が推定された。4.酒米を一方親とするF_2集団でえた心白歩合の頻度分布からも同様に多数の同義因子の関与が推定された。5.大粒品種を一方親とするF_2集団の粒重の変異からも同様なことがうかがわれた。以上のように米質関連形質は一般に多数の同義因子の関与が推定されたが, さらに供試個体を多くしたり測定尺度の細分により, その頻度分布は連続的となり正規分布に接近することが予想され, 育種においてはこれらの形質を量的形質として扱うことが妥当であり効率的であろうと考えられた。7.稈長と玄米品質との相関から両形質の関係は独立であろうと推論した。
- 日本作物学会の論文
- 1974-03-16
著者
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