二倍性Oryza punctataとその近縁種におけるザイモグラムの研究
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概要
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近年急速な進歩を遂げた電気泳動法は、生物の系統発生を分子レベルから究明するための有力な手法の一つと考えられ、これまでに幾つかの報告がなされている。本研究は、二倍性O. punctataとその近縁種との類縁関係を知ることを目的として、澱粉ゲルを支持体とし、成葉の汁液を用いて酸性フォスファターゼ、パーオキシダーゼおよびエステラーゼの各ザイモグラムを比較したものである。各アイソザイムとも、それらのザイモグラムから二倍性O. punctata(W 1514、W 1515)とその他[O.eichingeri(W 1522)、Ceylonese officinalis(collina)、intermediate forms(W 1525、W 1527)]との2群に大別され、後者はさらにintermediate formとO. eichingeriおよびCeylonese officinalisとに分けられる。さらに、これらのザイモグラムから類似度指数値(s値)を求めた。二倍性O. punctataと他の近縁種、すなわちO. eichingeriとintermediate form、Ceylonese officinalisとintermediate formおよびCeylonese officinalisとO. eichingeriとの間に、それぞれ20〜30、47、56および86%のs値がえられた。このs値は比較された両者間の類似度を数量的に示したものであり、この結果は細胞遺伝学的観察の結果とも一致した。
- 日本育種学会の論文
- 1973-12-31
著者
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