イネ品種IR28を抵抗性親とする雑種集団における白菜枯病抵抗性の有効な選抜手段
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概要
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IR28はイネ白菜枯病菌Iおよびy群菌に対して質的低抗性を示し,両抵抗性はそれぞれXa-1hおよびXa-kghによって支配されること,また同品種はイネ白菜枯病菌II,IIIおよびIV群菌に対して強い量的低抗性を示すことが知られている. 連鎖分析の結果,Xa-1,Xa-kgおよびPhの3遺伝子座は密接に連鎖していることが明らかとなった. F_2個体およびF_3系統を用いた検定において,IR28のI群菌に対する質的抵抗性とII,IIIおよびIV群菌に対する量的抵抗性との間に相関関係があること,すなわちII,IIIおよびV群菌による発病度はI群菌に対する優性の低抗性主働遺伝子Xa-1hの遺伝子量が増えるにつれて低下することを認めた.一方上述のようにXa-1,Xa-kgおよびPHの3遺伝子座は密接に連鎖していることから,IR28のV群菌に対する質的低抗性ならびに籾のフェノール反応陽性とII,IIIおよびIV群菌に対する量的低抗性との間にも上記と同様の相関関係があるものと推察した.
- 日本育種学会の論文
- 1986-09-01
著者
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