ハクサイ〔Brassica rapa(syn.B.Campestris)〕の小胞子培養における蕾および花序の低温前処理の効果
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概要
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ハクサイの小胞子培養において,蕾と花序の低温前処理の効果を調査した.培養前の蕾または花序を4℃にて3日または10日間処理することにより不定胚形成数の向上効果が認められた.蕾の前処理は花序の前処理よりも効果的で,20日間にわたる長期間の前処理においても向上効果が認められた.そこで,蕾の低温前処理中の小胞子発達について調査を行った.花弁長と葯長の比が0.7〜1.0の蕾を集めて低温処理を行い,小胞子の発達ステージを29日間にわたり,経時的に調査した.処理前の小胞子は全て一細胞期後期の発達ステージであったが,低温処理期間中に一細胞期後期の小胞子の割合は減少し,不均等二分裂の結果生じた栄養細胞と生殖細胞からなる二細胞期の小胞子が増加したことから,成熟花粉へ向かう小胞子の発達が緩やかに進行していることが示唆された.また同時に,均等な大きさの二つの核を持つ二細胞期の小胞子も観察された.この均等二分裂はハクサイ小胞子培養において,正常な小胞子発達から逸脱して不定胚形成へと向かう最初のステップであり,低温前処理によって不定胚形成が誘導されることを示唆するものである.
- 日本育種学会の論文
- 2002-03-01
著者
-
萩森 学
日本たばこ産業(株)植物開発センター:(現)野菜茶業研究所機能解析部
-
加藤 紀夫
日本たばこ産業(株)植物開発センター
-
佐藤 正紀
日本たばこ・植物開発センター
-
岩井 純夫
日本たばこ・植物開発センター
-
加藤 紀夫
日本たばこ・植物開発センター
-
岩井 純夫
日本たばこ・植物開発センター:(現)鹿児島大学・農学部
-
佐藤 正紀
日本たばこ・植物開発センター:(現)日本たばこ・葉たばこ研究所
-
萩森 学
日本たばこ産業(株)植物開発センター
-
萩森 学
日本たばこ中研
-
岩井 純夫
日本たばこ・中研
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