種々の県におけるいもち病抵抗性品種からのいもち病菌の採集とその病原性分析
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概要
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イネ育種に利用するいもち病抵抗性遺伝子の数が増え,判別菌系の改良が必要となって来ている.新判別体系の確立は今後の宿主・病原菌関係の集団遺伝学的研究にも,分子遺伝学的研究にも必須である.そのため,種々の抵抗性品種,能登ひかり("Pi-z")加賀ひかり("Pi-i Pi-k" )(石川県),新潟早生("Pi-a Pi-z") (新潟県),アキユタカ("pi-k Pi-z") はなひかり("Pi-i"))(山形県),初星("Pi-i")(福島県),ヤマビカリ("Pi-ta_2")(三重県・岐阜県・長野県)その他からいもち病菌を集めた.これらの病原性検定の結果,同じ遺伝子型品種から集めた菌株にも優越レースに県間差異・県内差異があり,病原性を獲得した元の菌に県間・県内差異があることを示した.同定されたレース数は66であった.これらの結果について病原性分析を行ったところ,複数の非病原性遺伝子間にnonrandom associationが認められた圃場では,常に交差型と非交差型の両nonrandom associationが認められた.
- 日本育種学会の論文
- 1994-12-01
著者
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清沢 茂久
筑波国際農業研修センター
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古谷 隆司
筑波国際農業研修センター
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沖中 泰
協和発酵工業株式会社筑波研究所:(現)北海道大学
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Furutani Takashi
筑波国際農業研修センター
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清沢 茂久
協和発酵・筑波研究所
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沖中 泰
協和発酵・筑波研究所
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Kiyosawa S
筑波国際農業研修センター
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Furutani T
Tsukuba International Training Centre Ibaraki Jpn
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