TOGA COARE IOP期間中に捉えられた赤道太平洋域の4-20日周期擾乱の特徴
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概要
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気象庁客観解析データを用いた1992年11月から12月の赤道太平洋域の時系列解析の結果から、数種類の4日から20日周期の西進擾乱を抽出し、その水平構造をコンポジット解析により求めた。850hPaの赤道南北風の場には4-5日周期の変動が、200hPaの赤道南北風には約7日周期の擾乱が見い出され、どちらも基本的には混合ロスビー波として解釈できる。これらに加えて、200hPaおよび850hPaの赤道東西風に、顕著な約15日周期の擾乱が見い出された。この擾乱の構造および西進位相速度から、n=1の赤道ロスビー波に対応するものであると推察される。200hPaの変動と850hPaの変動とは熱帯域では逆位相であるが、亜熱帯域では同位相に近い。これらの擾乱は、それぞれ雲活動との相関を持ち、擾乱の等価深度は10m程度と見積もられるが、200hPaにおける15日周期擾乱では1オーダー以上大きい。西太平洋域においては、4-5日周期の混合ロスビー波と15日周期のロスビー波が共存しており、熱帯低気圧の発生に両者が関与している可能性が示唆される。また、中緯度からの作用によって200hPaのトラフが非常に強く発達する過程が15日周期擾乱を励起している可能性が示唆される。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1995-06-15
著者
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