26 酵母Mn-SODを高発現する形質転換イネのストレス耐性向上
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
自然環境下において植物は様々なストレスを受け、それにより生育も大きく制限される。環境ストレスによる植物の生育障害の一要因として葉緑体で生成される活性酸素が挙げられる。通常、活性酸素はwater-water cycleで消去されるが、ストレス等によりこの系が十分に機能しない場合には残存する活性酸素が植物の生体分子を酸化し、生体成分の破壊や機能低下を引き起こす。このことから、植物のストレス耐性を向上させる方策として、活性酸素除去系を強化することが有効と考えられている。田中ら(Plant Sci. 1999. 148 : 131-138)は酵母ミトコンドリア由来のMn-Superoxide dismutase(Mn-SOD)を葉緑体内で高発現させたイネを用いて塩ストレス下でのクロロフィル蛍光収率および電子伝達速度を測定し、対照イネよりも高い値を維持することを示した。今回、我々は同じ植物材料を用いて塩および複合ストレスがMn-SOD導入イネの生育に及ぼす影響等について検討したのでその結果を報告する。
- 2001-12-07
著者
-
山口 健一
南九州大園芸学部
-
林 泰行
(株)植物工学研究所
-
本田 秀夫
三井化学(株)
-
早川 孝彦
株式会社植物工学研究所
-
早川 孝彦
(株)植物工学研究所
-
Lee Kwang-hong
三井化学(株)ライフサイエンス研究所
-
山口 健一
三井化学(株)ライフサイエンス研究所
関連論文
- 植物におけるフィターゼの高生産 : 分子農業に基づく物質生産法のキーポイントは何か?
- 遺伝子組換え技術による耐塩性・耐乾燥性植物の作出
- (256) イネ縞葉枯ウイルスゲノム RNA の5'および3'末端の相補的塩基配列 (日本植物病理学会大会)
- 大腸菌betA遺伝子のイネへの導入および発現解析
- (188) 遺伝子導入によるイネ縞葉枯ウイルス抵抗性イネの作出 (日本植物病理学会大会)
- (257) イネ縞葉枯ウイルスRNA4のクローニングとシークエンス (日本植物病理学会大会)
- カドミウム含有水田転換畑におけるケナフ(Hibiscus cannabinus)を用いたファイトレメディエーションの試み
- ファイトレメディエーションにおける塩化第二鉄のカドミウム吸収促進効果(関東支部講演会, 日本土壌肥料学会支部講演会講演要旨集2004年度)
- 26 酵母Mn-SODを高発現する形質転換イネのストレス耐性向上
- 23 Brassica属植物におけるカドミウム集積能の比較(東北支部講演会)
- 22-41 ケナフ(Hibiscus cannabinus)を用いたファイトレメディエーションの試み(22.環境保全)
- 重金属環境汚染に対するファイトレメディエーション技術の実用化へ向けて (特集総説:重金属環境汚染バイオ浄化の新展開)
- 遺伝子組換え食品の誕生
- トビイロウンカおよびツマグロヨコバイに対するアコニット酸およびシュウ酸の吸汁阻害作用
- 昆虫病原ウイルスの感染を増進する糖タンパク質 微生物農薬は化学農薬に太刀打ちできるか?
- グルタミン合成酵素のトランジットペプチドによる葉緑体へのタンパク質の移送 : 植物
- グルタミン合成酵素のトランジットペプチドによるin vitroでの葉緑体へのタンパク質の移送
- 葉緑体外包膜へのターゲティング(シグナルはどこに?)
- 昆虫ポックスウイルス由来の核多角体病ウイルス感染増進物質遺伝子のクローニングと塩基配列の決定 : 微生物
- ウイルス殺虫剤の協力剤の開発
- バイオマス利用を目的とした茎葉特異的GUS発現サツマイモモデルの作出
- (252)アゼガヤに葉枯を起こすExserohilum sp.とその分生子生産について(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- アグロバクテリウムを用いたサツマイモの二段階選抜による形質転換法
- 1pS3-PM4 形質転換イネにおける酵母フィターゼの高生産(遺伝子組換え植物が開く脱化石資源文明,シンポジウム)
- 87 アブシジン酸がイネ葉の温度調節に及ぼす影響
- コセナCMSに対する稔性回復遺伝子rfk1の同定(3) : rfk1対立遺伝子と稔性回復性の関係
- コセナCMSに対する稔性回復遺伝子rfk1の同定(2) : 稔性回復機能の証明
- コセナCMSに対する稔性回復遺伝子rfk1の同定(1) : rfk1遺伝子領域の確定
- (306) パパイア輪点ウイルス(PRSV)の外被蛋白質(CP)遺伝子の塩基配列決定 (日本植物病理大会)
- (232) 組織特異的発現プロモーターにより制御されたCPを介したRSV抵抗性形質転換イネの作出 (日本植物病理学会大会)
- (215) 3Aタンパク質をコードする遺伝子のアンチセンスRNAを用いたCMV抵抗性タバコの作出 (平成2年度大会講演要旨)
- (229) キュウリモザイクウイルス(CMV-O)外被蛋白質遺伝子のタバコへの導入と発現 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- 除去法最前線 ファイトレメディエーション--植物による浄化の基礎と展望 (特集 土壌汚染--その現状と対策を考える)
- 耐塩性植物の開発はどこまで進んだか? (第20回バイオテクノロジーシンポジウム予稿集) -- (講演会の部)
- ウイルス殺虫剤の協力剤の開発 (昆虫機能研究会(平成8年度)) -- (分科会)
- 遺伝子組換え食品の誕生
- ステロイド生産制御技術の開発 (第21回 バイオテクノロジー シンポジウム 予稿集) -- (ポスターセッションの部 植物の物質生産プロセス制御基盤技術開発)