暖地における大豆の生育に及ぼす栽培条件の影響 : 第1報形質の養分反応特性について

概要

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群落規模の礫新装置で夏大豆を栽培し,種々の養分濃度に対する各形質の反応について検討し,次の結果を得た。1)一定濃度の養分を継続して供給した場合,各形質値(Y)と養分濃度比(X)との間には2次曲線回帰式y=a+bx+cx^2が推定された。これらの式から形質の変動や形質値を極大にする限界濃度比を推定することができた。その結果,主茎節数,分枝数は変動が小さく,主茎長などは中程度,茎重,全粒重などは大きかった。また,限界濃度比では分枝数,総節数などは低く,主茎長,主茎節数などは中程度,100粒重,茎重などは高いことを認めた。2)開花期を中心に生育期間を前期と後期に分けて濃度処理をした結果,主茎長などの生育形質は前期濃度の高・低に主として影響され,全粒数,全粒重などは後期の濃度を高めることで増加が認められた。3)前期低濃度で後期高濃度の処理は暖地における過剰生育一後期凋落の生育経過をかえて増収へとみちびく1つの栽培手段になり得ると推察された。
日本作物学会の論文
1976-06-01