稲の穂軸維管束の配列について
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概要
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松島(1957)は水稲の幼穂発育経過に関する組織的観察から, 第一苞始原体が環状に分化し, 第二苞以下は2/5の開度で分化・発育することを明らかにした。けれども, 植物の発生的発育の中で, 稲の場合, 葉の開度が1/2(対生)で, 穂の枝梗の開度が2/5に急変することには問題がある。それが栄養生長から生殖生長への転換に由来するとしても, 維管束の分化・発達に1/2から2/5になるにはそれだけの発生的理由が要求されることになろう。中山(1966)は稲の根序について, 水苗代で生育したものは鞘葉節から3本発生するが, 畑苗代ではこれが5本になることを明らかにしたが, 発生的にみると, これは対生の1/2における分子の1にあたるものが3になり, 5になることを意味するもので, 穂部における2/5のように分母に相当するものの5ではない。生長点における葉の維管束の分化はあくまで1/2で, この1が両側に1つづつさらに分化して, 3になり, その両側に1つづつ増加して5になり, それぞれがさらに分化して5+10のように増加する。勿論, 発育不十分のものもあるので, 中間の9, 11, 13などの数も得られることがある。そこで, 稲の穂首維管束について, 葉序と同じように1/2の開度では説明出来ないのかどうかを検討することにした。
- 日本作物学会の論文
- 1974-03-16
著者
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