長野県で分離したハクサイ根こぶ病菌の18S rRNA領域とITS領域の塩基配列に基づく系統分類とレースの関係
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概要
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絶対寄生菌であるハクサイ根こぶ病菌(Plasmodiophora brassicae Woronin)のレース判定のために,この菌のrRNA遺伝子の18S及びITS領域の塩基配列を利用できるかどうか検討した.すなわち長野県産の7菌株においてウィリアムス法によるレース判定を行うとともに,5菌株の18S rDNAの一部分と7菌株のITS領域の大部分の塩基配列を決定した.18S rDNAで835塩基を連続して決定した前半部において,5菌株間の相互の相同率はいずれも98%以上であった.しかし,長野県の5菌株には米国の株で見いだされたイントロンが欠落していた.ITS領域の塩基配列も7菌株の間で相同率が99%以上とほとんど違わず,またオーストラリア,イギリス,韓国での報告ともきわめて相同性が高かった.rRNA遺伝子の塩基配列の違いとレース判別との明確な対応は見いだせなかったが,一部のレースについて,特定の塩基をマーカーとして利用できる可能性も示唆された.
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 2004-04-05
著者
-
横山 正
農業生物資源研究所
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村上 敏文
東北農研
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村上 敏文
長野県中信農業試験場:(現)近畿中国四国農業研究センター
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横山 正
農業生物資源研究所:(現)東京農工大学
-
内津 政直
長野県中信農業試験場
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