Bradyrhizobium属根粒菌のダイズへの根粒形成における温度の影響
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概要
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温帯起源のBradyrhizobium japonicum種USDA 110, USDA 122, USDA 123, 5033株, B. elkanii種USDA31, USDA 76株およびタイ起源のBradyrhizobium属根粒菌TARC64株を用いて,異なる温度環境下での各菌株の増殖速度,ダイズに対する根粒形成能力,および根粒形成遺伝子の発現程度を調べた。1)異なる温度環境下での各種根粒菌の増殖速度28℃と35℃での各根粒菌株の生育量をOD_<600>値で比較した結果, B. elkanii種に属するUSDA31, USDA76株は,28℃処理区では培養43時間以降に,また,35℃処理区では28.5時間以降に生育量をB. japonicum種のUSDA 110, USDA 122株より増大させた。タイのダイズ根粒菌TARC64株も,35℃処理区ではB. japonicum種より生育速度が優ることが分かった。2)異なる温度環境下で栽培したダイズに対する各種根粒菌の根粒形成能力B. japonicum種USDA110, USDA122, USDA123,5033株, B. elkanii USDA31, USDA76株,タイのダイズ根粒菌TARC64株を同じ菌密度で混合接種し,昼温23℃-夜温18℃,昼温25℃-夜温25℃,昼温34℃-夜温28℃の3処理下で着生した根粒がどの菌株に由来したかを血清学的手法で同定した結果,昼温23℃-夜温18℃では, B. japonicum種の占有率が56%, B. elkanii種の占有率が16%,昼温25℃-夜温25℃では, B. japonicum種が47%を占め,また, B.elkanii種が28%,一方,昼温34℃-夜温28℃の温度環境では,着生した根粒の90%をB. elkanii種が占めB. japonicum種は8%に急激に低下した。3)異なる温度環境下での3系統のダイズ根粒菌の根粒形成遺伝子発現レポータープラスミッドpZB32 (nodY-lacZ fusion)を導入した組換え菌株USDA 110 (pZB32), USDA76 (pZB32),そしてTARC64 (pZB32)株の各細胞懸濁液に最終濃度が3μMになるようにnodインデューサーであるゲニステインを添加し20, 23, 26, 30, 33, 35, 37, 40℃の異なる温度条件で21時間培養し,根粒形成遺伝子の発現誘導活性を調べた。B. japonicum USDA110 (pZB32)株は23℃前後の中温域で,根粒形成遺伝子が最大に発現し,一方, B. elkanii USDA76 (pZB32)株やタイのダイズ根粒菌TARC64 (pZB32)株は35℃前後の高温域で,根粒形成遺伝子が最大に発現することが分かった。
- 2005-10-05
著者
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