根粒菌の増殖、IAA生産能、菌体外多糖生産能におよぼす塩類ストレスの影響

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塩類ストレスによる根粒着生の減少について根粒菌の側から詳しく調べるため、培地に加えた塩化ナトリウムの、根粒菌の増殖速度、IAA生産、菌体外多糖生産に及ぼす影響について実験を行った。核実験の培養期間は、それぞれ、増殖速度は5〜7日間、IAA生産能は3日間、菌体外多糖生産能は5日間であった。アルファルファ菌とナタマメ菌について、3カ月間8000ppm NaCl 存在下で継代培養したもの(処理2)とNaCl 無添加で継代培養したもの(処理1)をそれぞれ用いた。増殖速度は、0、2000、4000、6000、8000ppm NaClで、IAA生産、菌体外多糖生産は、0、4000、8000ppm NaCl で、それぞれ塩類ストレスの影響を調べ、以下の結果を得た。 1)増殖速度は、ロジスチック式より最大菌数を推定し、それらについて比較を行った。アルファルファ菌と処理1のナタマメ菌では、培地中の NaCl 濃度の影響はほとんど受けなかった。処理2のナタマメ菌は、8000ppm NaCl 濃度で63%まで菌数が減少していた。 2)IAA生産は次のようであった。処理1のアルファルファ菌では、塩類濃度が高まるにつれてIAAが現れる時期が遅れていくのがみられた。4000ppm NaCl 区で最も多くのIAAが集積した。処理2のアルファルファ菌では、IAAの集積が少なかった。ナタマメ菌ではIAAの集積はみられなかった。 3)菌体外多糖生産については、次のようであった。(1) 塩類濃度の影響についてみると、処理1では、8000ppm NaCl 区においては、ナタマメ菌、アルファルファ菌とも、対照区の約60〜70%に低下していた。処理2でも、8000ppm NaCl区においては、どちらの菌とも対照区の約60〜70%に低下していた。 (2) 3カ月の前培養処理の違いについてみると、ナタマメ菌の場合と処理1と処理2とははぼ同じであったが、アルファルファ菌の場合は、処理2は処理1の約10%に低下していた。
社団法人日本土壌肥料学会の論文
1989-02-05

根粒菌の増殖、IAA生産能、菌体外多糖生産能におよぼす塩類ストレスの影響

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