共生窒素固定および土壌中でのアンモニア化成・硝酸化成に及ぼす塩類ストレスの影響
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概要
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土壌中の窒素代謝のうち, 共生窒素固定, アンモニア化成, 硝酸化成に及ぼす塩類ストレスの影響について検討し, 以下の結果を得た. 1) 共生窒素固定に及ぼす塩類ストレスの影響について検討するために, 耐塩性を異にするアルファルファ, ササゲ, ナタマメの3種類のマメ科植物を, 3段階の塩類ストレス(それぞれ0 (S0), 4000 (S1), 8000(S2)ppm NaClを含む海水による処理)を与えて, 窒素無施用下で4習慣栽培し, 処理期間中の生育量と窒素固定量を測定した. 共生窒素固定は,塩類ストレスにより抑制されやすかったが, その低下の割合は宿主により異なった. 3種類の供試植物のうちでは, アルファルファが, 窒素固定も生育も, 最も減少しにくく, S2区においてはいずれについても対照区の約70%であった. ササゲとナタマメにおいては, 根粒着生が塩類ストレスにより大きく減少し, S2区ではほとんど根粒が着生しなかった. そのため窒素固定が大きく低下し, S2区では対照区の約15%であった. また宿主の生育も大きく低下し, S2区では対照区の約40%であった. 2) 土壌中のアンモニア化成に及ぼす塩類ストレスの影響について, ビン培養法を用い, 5段階の塩類ストレス(海水濃度の0倍, 1/4倍, 1/2倍, 3/4倍, 1倍)を与えて検討した. アンモニア化成は, 共生窒素固定や硝酸化成に比べて阻害を受けにくかったが, 海水濃度においては, アンモニア化成速度は, 対照区の約半分に低下していた. 3) 土壌中の硝酸化成に及ぼす塩類ストレスの影響について, 洗浄培養法とビン培養法を用い, 5段階の塩類ストレス(海水濃度の0倍, 1/4.倍, 1/2倍, 3/4倍, 1倍)を与えて検討した. どちらの方法においてもほぼ同じ傾向を示しており, 3/4倍の海水濃度において, 硝酸化成はほとんど阻害されていた.
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1987-02-05
著者
-
小林 達治
京都大学農学部
-
小林 達治
京大・農
-
小林 達治
京大・農・農化
-
高橋 英一
京都大学農学部
-
高橋 英一
京大・農
-
池田 順一
京都大学農学部
-
池田 順一
東北農試
-
池田 順一
東北農業試験場
-
小林 達治
滋短大農
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