シングル・ルート・モデルにより求めた根へのNO_3-N供給様式と土壌溶液最低NO_3-N濃度
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概要
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シングル・ルート・モデルを適用して、圃場における根へのNO_3-Nの供給に対する拡散、分散、マス・フローの寄与度を、これらの日中の推移をもとにして評価し、同時にトウモロコシの生育を最高にする、土壌溶液の最低NO_3-N濃度について論じた。その結果は次のとおりである。1)トウモロコシ根へのNO_3-N供給は土壌溶液のNO_3-N濃度が高い場合には、マス・フローが主体であるが、NO_3-N濃度が低い場合には拡散と分散の寄与が大きい。2)その寄与度は根密度と密接な関係があり、埴土の場合、根密度が小さいときには分散の寄与度が大きく、根密度が大きいときには拡散の寄与度が大きい。3)砂土では、埴土と同じ低レベルの土壌NO_3-N含量であれば、根密度に関係なく分散が供給の主体になる。埴土と砂土の供給様式の相違は、埴土の水分保持能の高いことに起因している。4)土壌溶液最低NO_3-N濃度は、作物の養水分要求量、土壌のNO_3-N供給様式、根密度などによって変化する相対的なものであるが、その相対的な最低濃度は根表面NO_3-N濃度を0としない土壌溶液の最低濃度であると表現できる。
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1988-04-05
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