きゅう肥,作物残渣の施用が畑作物の根群発達および生育に及ぼす影響
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概要
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テンサイ, トウモロコシ, ダイズ, ジャガイモ, 秋播コムギ, アズキ, インゲンマメを供試作物とした輪作・連作ほ場において, きゅう肥 (1.5t/10a) および前作物の収穫残渣の施用が収量, 根群発達, 根活力, 土壌肥沃度に及ぼす影響を解析するとともに, きゅう肥用量試験 (0, 2, 3, 4t/10a) により, 適正施用量を検討した. 1) きゅう肥施用の増収効果は連用当初には子実作物で大きく, 根菜類では経年的に増大する傾向がみられた. 前作残渣施用の増収効果はきゅう肥に比べて小さく, 連用しても顕著な効果は認められなかった. 両者併用の効果はきゅう肥単独の効果に類似した. 2) きゅう肥, 前作残渣の単独施用および併用は作物の種類を問わず生育初〜中期の根群発達を促進し, 輪作ほ場ではそれぞれ対照区に比べ全作物平均で23%, 19%および16%増の根重を示した. これらの有機物施用は同時に根形態も改善し, 秋播コムギでは1次分枝根長は両資材の単独施用で2倍以上に, 併用では7倍にも達し, 根毛形成も増加した. 3) 根活力検診法によりほ場立毛中のテンサイの根活力を調べた結果, きゅう肥施用は根活力分布域の拡大ばかりでなく, 活力自体をも増大させ, 活力総計値は対照区のほぼ2倍に達した. 4) 土壌の交換性塩基, 可給態リン酸, 可給態窒素は有機物施用によって増加したが, 増加量は少なく, 作物の生育促進を説明できるほどではなかった. 5) 輪作ほ場で,きゅう肥用量試験を7年間継続して実施した結果, 増収率は施用初年目には施用量の増加に対応して最大70%前後にも達したが, 以後経年的に低下し, 4年目以降には20%程度となり, 用量間差もほぼなくなった. 収量からみても, 連用を前提とする場合には10a当たり2t以下の施用が適正と判断された.
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1987-12-05
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