極早生水稲の分げつ体系からみた高位分げつの発生機構
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概要
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農林11号など,日本の水稲品種の中でも最も極早生である3品種を北陸地域の普通期に栽培して,その分げつ体系の形態形成を調べた。主稈総葉数は,農林11号が9,農林9号と同15号が10となった。分げつの出現は北陸地域の普通期の栽培品種と同様に推移し,1次最終分げつは,3品種とも基本的に主稈の第8節に出た。分げつは4次分げつまで現れた。この結果,高位分げつが多発生し,それらの葉数が,分げつ発生節位より上の母茎の葉数より1,2葉多かった。各個体の分げつ数は40本前後であり,出穂期間は約3週間に及んだ。高位分げつの発生節位の下限は,1次分げつについてみると,主稈の穂首分化期に,分げつ芽が突起状の状態から1,2枚の葉原基を分化した状態にある節位と判断された。その節位は,農林9号,同15号,同11号で,それそれ7,6,5,であった。これら高位の最終分げつの葉数(前出葉を含む)は,本試験では分げつ次位に関わらず,3か4が多かった。この葉数の理由は,以下のように考えた。すなわち,主稈の穂首分化期以降,突起状になっている1次の分げつ芽は,主稈の生育がさらに約2.5葉齢進んだ後でないと,自身の穂首分化に至らない生理機構をもっている。他方で,農林9号の発育解剖の結果では,上記の主稈の生育期間に,分げつ芽は前出葉と2,3枚の葉原基を自立的に分化している。それで,高位の最終1次分げつは,常に3,4枚の葉数を持つことが理解できる。同じことは,一般に母茎とその分げつの間で生じていると推測された。
- 日本作物学会の論文
- 2003-03-05
著者
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