イネの茎葉生育の規則性に関する発育形態学的研究 : 第5報 同葉数主稈における葉身長・節間長の葉位別変化の規則的変異
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概要
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水田圃場に1株1本植えにした水稲の各主稈では, 葉身長・節間長の葉位別変化に, それぞれ二つのパターンが認められた. その差異で, 主稈の体形は明瞭に異なる二つの生育型に類別できた. この生育型は総葉数の1葉の変異に対応していたので, 総葉数が多い方の主稈の止葉葉位をnとして, これらの主稈の生育型をN型, 他方を[N-1]型と呼んだ. 次に, 各主稈の葉身長パターンを折れ線で表すと逆V字型になっだが, そのピークに当たる最長葉身は, 二つの生育型に共通して(n-2)葉位か(n-3)葉位に現れた. 最長葉身が(n-2)葉位に出た主稈群と, (n-3)葉位に出た主稈群とを, 各生育型ごとに各器官長の葉位別平均で比較した. 前者の主稈群は, 両生育型共通に, (1)止葉を含む上位2, 3葉の葉身が長く, それ以下の葉身は逆に短く, また, (2)上位2節間が長く, 逆にそれ以下の節間は短かった. このような変異には再現性があった. それで, 上記の特徴をもつ主稈群を「上位器官延長型」, 他方の群を「上位器官短縮型」として, 各生育型をさらに二類型ずつに細別した. 他方, 茎葉器官長の葉位別測定値でそれぞれの母分布の正規性を検定した結果, 層別化を生育型から細別型にまで進めた場合に非正規分布が一層減少し, 全体に正規性が高まった. また細別型間で葉位別に比較した各器官長の平均には全体に有意差がみられた. したがって, 統計的にも, 主稈総葉数の1葉の変異に対応した二つの生育型をさらにそれぞれ二つの類型に細別できるといえる.
- 日本作物学会の論文
- 1996-09-05
著者
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