冬コムギの器官別にみた出穂後の可溶性炭水化物の蓄積と再転流
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概要
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冬コムギの出穂期から成熟期までの間に器官別に可溶性炭水化物(WSC)の含有量の推移を炭水化物の種類ごとに調査した.圃場から植物体を2〜3日おきに採取し, 子実, [フ], 葉身, 葉鞘, 穂軸+穂首節間および稈の各節間に分解した.葉身と葉鞘は, 開花期前後にWSCの含有量が最大値を示した.稈の節間は, 開花1週間後から乳熟期までの期間にあたる登熟前期において, フラクタンとシュクロースを蓄積した.さらに乳熟期から成熟期までの期間にあたる登熟後期・末期において, これらを他へ転流させた.WSCのうち短期的な蓄積形態で知られるシュクロースの含有量は, 登熟期間を通じてそれぞれの節間において, 長期的な蓄積形態で知られるフラクタンの含有量よりも高かった.〓は, 開花前においてフラクタンとフラクトースとを大量に蓄積した.この時, シュクロースはごくわずかにしか蓄積していなかった.〓におけるシュクロース蓄積のパターンは, フラクタン蓄積のパターンと大きく異なっていた.このことは, 他の器官と異なる特徴であった.植物器官におけるWSC含有量の変化についてのこれらパターンは, 登熟初期, 前期, 後期, 末期の4つの登熟相とおおまかで対応していた.
- 日本作物学会の論文
- 2001-09-05
著者
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