異なる畝型・土性条件下での塩水灌漑が畝内塩類集積分布及びトウモロコシの初期生育に及ぼす影響(栽培)
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概要
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カザフスタン共和国・シルダリア川下流域の高塩類集積土壌で行ったプロジェクト研究で課題となった畝内塩類集積, 作物の出芽及び初期生育に関して実験を行った.ビニルハウス内に異なる2種の畝型(平畝及び山型畝)及び3種の土性(砂壌土, 埴壌土及び軽埴土)よりなる畑土壌試験区を設定し, 濃度調整した塩水(EC=8dSm^<-1>)を畝間灌漑して, トウモロコシの出芽及び生育に対する影響を畝型, 土性及び畝内での塩類集積分布との観点から調査・分析した.結果は, 1)出芽率は平畝区で悪く, 特にそれの埴壌土及び砂壌土区で(70%前後)顕著であった.2)播種後42日までの草丈伸長は平畝区で悪かったが, 軽埴土区では21日以降には急速に回復し, 最終的に草丈は対照区と同じ(149cm)になった.3)地上部乾物重は基本的には草丈伸長と同じ傾向を示した.4)播種位置での土壌含水比はジョロ・畝間の両灌水区とも両畝型の砂壌土で最も低く, 5〜15%であった.5)播種後のEC_e値は平畝で高く(10〜15dSm^<-1>), その傾向は砂壌土区で顕著であった.6)畝内での塩類集積分布は山型畝では頂上あるいはその付近に, 平畝では畝の肩部でそれぞれの最高値がみられ, 山型畝では埴壌土区(46.9dSm^<-1>)が, 平畝では砂壌土区(29.8dSm^<-1>)がそれぞれ最大であった.7)畝内での塩類集積分布とトウモロコシの初期生育の良否は密接に関連した.以上の実験結果は, 塩類集積と作物の初期生育との関係を明らかにするための重要な示唆を与えるものであった.
- 日本作物学会の論文
- 2001-09-05
著者
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