イネ白葉枯病ポリジーン抵抗性の選抜に関する遺伝・育種学的研究 : 第2報ポリジーン抵抗性の選抜効果について

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1.本報告は1976年から1978年に行なった白葉枯病ポリジーン抵抗性の遺伝分析及び選抜試験の結果の一部である。2.本報告には8交配組合せの中の,日本晴×農林22号,日本晴×Coloroの2組合せの結果を示した。供試親はいずれも抵抗性主働遺伝子を所有しない。ColoroはJaponica品種で日本稲との雑種不稔性はみられなかった。3.接種菌は,日本晴x農林22号ではI群菌(F_2世代まで),II群菌(F_4世代まで)およびIII群菌(F_4世代のみ)を用い,日本晴×ColoroではII群菌(F_4世代まで)およびIII群菌(F_4世代のみ)を用いて4針法で接種した。4.白葉枯病抵抗性のF_2集団での遺伝的分離は,二交配組合せにII群菌を接種したときにみられ,日本晴×農林22号でのI群菌では分離はほとんどみられなかった。5.抵抗性の遺伝的分離は,F_1,F_2の平均値及び分散による尺度適用検定,及びF_2集団の分布の正規性から,ポリジーンによるものと推定した。6.ポリジーン抵抗性の選抜は,II群菌(S_8)によってF_2及びF_3系統集団から,1977年と1978年の2年にわたって行なった。F_3系統からの選抜は,系統・個体選抜法と系統選抜法によって行なった。7.選抜効果は,F_2集団からは両組合せとも約20%の実効遺伝カ(realized heritability)が得られ,F_3系統からのそれは系統・個体選抜法で約30〜45%,系統選抜法で約45〜75%で,交配組合せで異なった。最強及び最弱系統は系統・個体選抜法にみられた。8.II群菌による選抜は,III群菌に対しても同様に有効であり,ポリジーン抵抗性の特性が示された。
1980-12-25

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