臨床実習における局部床義歯に関連する統計的観察
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概要
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局部床義歯の設計の考え方の変遷や数育の内容がどの程度臨床実習で実践されているかを知る目的で, 昭和62年10月より平成2年9月までの3年間に大阪歯科大学附属病院補綴科の臨床実習で装着された局部床義歯を対象に学生より提出させたスリップの内容をもとにケネディの分類別に集計を行い比較検討した. 1) 装着された局部床義歯についてケネディの分類の1級が861床, 2級が661床, 3級が233床, 4級が83床であった. 上下顎とも1級が最も多く4級へと級数が多くなるにつれて少なくなった. 2) 年齢別分布のピークは, 1級では60〜64歳, 2級では50〜54歳, 3級では55〜59歳, 4級では60〜64歳であった. 3) 一口腔単位の治療計画に基づくと考えられる暫間義歯の使用は, とくに上顎の3級で38.3%, 4級では33.9%, 下顎の4級では, 29.6%と高かった. 4) 上顎の1級, 2級では, 対顎が同時に作製された新局部床義歯が多く, 3級, 4級では天然歯のほうが多かった. 下顎の1級では新局部床義歯が最も多く, 2級, 3級, 4級では, 天然歯のほうが多かった. 5) 上顎の大連結子としてはレジン床の頻度が最も多く, パラタルバーの使用については, 2級での金銀パラジウム合金による鋳造バーが15.7%用いられた以外は少なかった. 鋳造パラタルプレートは2級で15.7%, その他の級で約20%に使用されていた. 下顎でもレジン床の頻度が最も多く, 次いで鋳造リンガルバーが多く使用され, 2級では金銀パラジウム合金の鋳造によるものが多かった. 6) 臼歯人工歯の削減率は上顎では1級が27.3%, 2級が13.4%, 下顎では1級が26.9%, 2級が20.8%であり, 支台歯の負担軽減のための人工歯数の削減が実践されていた. 7) 支台装置としては, 教育的効果が臨床実習に反映され, 犬歯や小臼歯では支台歯の負担軽減のためのコンビネーションワイヤークラスプの応用が多数の症例にみられた.
- 大阪歯科学会の論文
- 1992-08-25
著者
-
井上 宏
大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座
-
南 正高
大阪歯科大学補綴学第三講座
-
西崎 宏
大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座
-
前田 照太
大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座
-
畦崎 泰男
大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座
-
川野 晃
大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座
-
兼平 治和
大阪歯科大学欠損歯列補綴咬合学講座
-
前田 照太
大阪歯科大学 第3歯補綴
-
井上 宏
大阪歯科大学
-
川野 晃
大阪歯大・欠損補綴
-
山本 彩子
大阪歯科大学歯科補綴学第3講座
-
南 正高
大阪歯科大学附属病院総合診療部
-
西崎 宏
大阪歯科大学大学院歯学研究科歯科補綴学専攻
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