柑橘園におけるミカンハダニのヘキシチアゾクスによる圃場淘汰試験

概要

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柑橘園におけるミカンハダニのへキシチアゾクス抵抗性発達の様相を把握し, 抵抗性対策を考えるため, 静岡県榛原郡の日本曹達株式会社榛原農業研究所内の24樹からなる柑橘園において淘汰試験を行なった.6年間で18回のへキシチアゾクス連用散布(25ppm)で, LC_<50>値が8000ppm以上の高いレべルに抵抗性が発達した.連続散布という特殊な処理体系でありながら抵抗性発達速度は遅かった.最初の4年間は年2∿3回の散布でミカンハダニの密度抑制が可能であったが, 次の2年間では効果が低下し年4回もの散布を必要とした.また, 同一園内でも樹ごとにミカンハダニの発生密度が異なるだけでなく, へキシチアゾクスに対する感受性も異なり, へキシチアゾクス抵抗性は, 特定の樹に寄生するミカンハダニの集団で局所的に発達したと考えられた.本研究の実施にあたり, ミカンハダニを分譲していただいた農林水産省果樹試験場の是永龍二博士および静岡県柑橘試験場の古橋嘉一博士に厚くお礼申し上げる.また有益な助言, ご教示ならびに本稿の校閲をいただいた名古屋大学農学部教授宮田正博士, 日本曹達株式会社小田原研究所生物研究所および榛原農業研究所の所員一同に感謝の意を表する.
1995-08-20