ワモンゴキブリ中枢神経系および末梢神経系への fenvalerate の作用
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概要
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ワモンゴキブリ中枢神経系および末梢神経系へのfenvalerate(R, S)-S体の作用の違いを電気生理学的手法を用いて調べた.Fenvalerate(R, S)-S体はどちらの神経系に対しても反復興奮を発生し, 伝導阻害を起こした.中枢神経系では反復興奮の周波数は変動したが末梢神経系では変動は観察されなかった.末梢神経系のほうが伝導阻害を起こすまでの時間は中枢神経系に比較して短く, fenvalerate(R, S)-S体に対する感受性に違いがあることが示された.中枢神経系の細胞外記録から個々の神経を同定してそれぞれの中毒症状を示すまでの時間, 中毒の持続時間, 伝導阻害を起こすまでの時間を調べ末梢神経系と比較したところ中毒症状の現れるまでの時間に大きな違いが示された.反復興奮の周波数については両神経系間で違いは示されなかった.以上のことから中枢神経系と末梢神経系間でのfenvalerate(R, S)-S体の作用の違いは中毒症状を示すまでの時間に違いがあり, そのことが両神経系間での薬剤に対する感受性の違いの一つの主要な原因になっていると考えられる.
- 日本農薬学会の論文
- 1994-05-02
著者
-
宮田 正
名古屋大学大学院生命農学研究科
-
宮田 正
名大農
-
宮田 正
Laboratory of Applied Entomology and Nematology, Faculty of Agriculture, Nagoya University
-
永田 啓一
Laboratory of Applied Entomology, School of Agricultural Sciences, Nagoya University
-
永田 啓一
理化学研究所
-
Nagata Keiichi
Institute Of Agriculture And Forestry University Of Tsukuba
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