マラチオンおよび MTMC で淘汰したトビイロウンカの抵抗性発達とその抵抗性機構
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概要
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トビイロウンカをマラチオンおよびMTMCで淘汰し, その後の薬剤感受性変化と抵抗性機構について検討した.トビイロウンカのマラチオンに対する感受性はマラチオン, MTMCの45回淘汰によりそれぞれ1/39, 1/25に低下した.しかし, MTMCに対する感受性はMTMC, マラチオンの45回淘汰によりそれぞれ1/4.2, 1/2.5に低下した.両淘汰系統とも合成ピレスロイドに対する感受性は高くなった.K1, K2は虫体ホモジネートによるマラチオン分解を非常に良く抑えたが, in vivoの感受性検定では薬剤淘汰系統のみに共力効果が認められた.淘汰系統の抵抗性機構としてはマラチオンに対してはマラチオン, マラオクソンの分解活性の増大によるとみられた.MTMCに対する若干の感受性低下はMTMCに対する分解活性の増大ではなくMTMCに対するアセチルコリンエステラーゼの感受性低下が主要因とみられた.
- 日本農薬学会の論文
- 1988-05-20
著者
-
風野 光
九州農試
-
升田 武夫
Kyushu National Agricultural Experiment Station:(present Address)division Of Pesticides National Ins
-
遠藤 正造
Kyushu National Agricultural Experiment Station
-
風野 光
Kyushu National Agricultural Experiment Station
-
遠藤 正造
九州農業試験場
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