カルタップの水稲における消長とコブノメイガ幼虫に対する殺虫力
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概要
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1) 水溶剤, 粉剤散布直後の葉身におけるカルタップ濃度はそれぞれ49, 5.7ppmで, その後速やかに低下し7日後でともに散布直後の1/10の濃度となった.粒剤の水面施用の場合, 葉身におけるカルタップ濃度は3日後の1.5ppmまで高くなり以後ゆっくり低下した.2) 局所施用法によるLD_<50>(24時間)は2齢幼虫に対する61μg/gから5齢幼虫に対する19μg/gまで齢が進むにつれて小さくなった.3) 葉身浸漬法によるLC_<50>(24時間)は1齢幼虫に対して0.45ppm, 5齢幼虫に対して4.4ppmであり, その間に10倍の差があった.2∿4齢幼虫に対するLC_<50>(24時間)は0.97∿1.5ppmでほぼ一定であった.4) 浸根法による1, 3齢幼虫に対するLC_<50>(24時間)は葉身浸漬法のときの値とほぼ同じ0.51, 0.91ppmであったが, 5齢幼虫に対しては葉身浸漬法のときの約2倍, 8.0ppmであった.5) 施用されたカルタップの葉身における濃度が1齢幼虫に対するLC_<50>(24時間)を越えるのは水溶剤, 粉剤, 粒剤施用でそれぞれ29, 19, 18日間であった.また同様に5齢幼虫に対しては水溶剤で8日間, 粉剤で当日のみ, 粒剤施用ではこの濃度に達しなかった.6) 各齢幼虫の摂食量は0.18∿0.24cm^2/mg/日でほぼ一定であった.死虫率の増加に従い, いずれの齢でも同じように摂食率は低下した.
- 日本農薬学会の論文
- 1981-08-20
著者
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升田 武夫
Kyushu National Agricultural Experiment Station:(present Address)division Of Pesticides National Ins
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遠藤 正造
Kyushu National Agricultural Experiment Station
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遠藤 正造
農林水産省九州農業試験場
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升田 武夫
農林水産省九州農業試験場
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遠藤 正造
九州農業試験場
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