プロサイミドンの灰色かび病菌への可逆的結合
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概要
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^<14>C-プロサイミドンはBotrytis cinereaの菌糸に速やかに結合し, それは1分以内でほぼ平衡状態になった.結合量は培地中のプロサイミドン濃度および菌糸密度に依存していたが, 温度や菌糸の代謝活性に影響されなかった.菌体を水洗することにより結合量の95%以上が洗液に遊離したことから, プロサイミドンの結合は可逆的な反応であると思われた.プロサイミドンを処理し, 生育を完全に阻害された菌糸を, 洗って新しい培地で培養したところ, 再び生育をはじめた.このように, 菌糸細胞の生育を阻害しているプロサイミドンは, 細胞に可逆的に結合し, しかもその結合および遊離過程は速やかに進行するものと考えられる.
- 日本農薬学会の論文
- 1980-11-20
著者
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久田 芳夫
住友化学工業株式会社農薬事業部
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川瀬 保夫
住友化学工業株式会社農薬事業部
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久田 芳夫
Research Department Pesticides Division Sumitomo Chemical Co. Ltd.
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川瀬 保夫
Research Department Pesticides Division Sumitomo Chemical Co. Ltd.
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