海水中におけるパラチオン, メチルパラチオン, フェニトロチオンの残留性支配の要因
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概要
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L_<16> (2^<15>)型直交配列表を利用した実験計画法によって河川水および海水中のパラチオン, メチルパラチオンおよびフェニトロチオンの残留性を検討した.実験は以下の5因子2水準で行なわれた.すなわち, 試料水(河川水と海水), 懸濁物質(存在あるいは非存在), 温度(室内恒温と戸外), 光(照射あるいは非照射)および蒸発性(開放あるいは密閉)の5因子である.この実験から環境水中の有機リン剤の残留性は海水・河川水の相違と光によってほとんど支配され, 温度の効果はわずかであった.また, 海水は弱アルカリ性であるにもかかわらず, 有機リン剤は海水中でも化学的にはかなり安定で, 河川水中よりも長時間残留した.一方, 懸濁物質と蒸発性は影響しなかった.河川水と海水の混合水や煮沸水中の有機リン剤の残留性を実験したところ, 淡水中の微生物が有機リン剤を分解することが明らかとなった.フェニトロチオンが空中散布された地域の河川水および海水の分析を行なったところ, 海水中の残留性が大きいことが認められた.
- 日本農薬学会の論文
- 1980-08-20
著者
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