きわめて低濃度で存在する DDT の微生物分解
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概要
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Bacillus属細菌B75および未同定グラム不定かん菌B116は1/10希釈ブイヨン中に10 ng/mlから100 ng/mlというきわめて低濃度で存在するDDT (1, 1, 1-trichloro-2, 2-bis(4-4chlorophenyl)ethane)を分解した.DDTの88%以上が2週間の培養で分解した.DDE (1, 1-trichloro-2, 2-bis(4-chlorophenyl)ethyl-ene)やDDD (1, 1-dichloro-2, 2-bis(4-chlorophenyl)-ethane)およびその他のアセトン・ヘキサン可溶の代謝産物の種類・割合は, B116の場合の割合を除けば, DDT濃度による影響はなかった.DDTの大部分が非常に低濃度でも48時間以内に細菌に吸着した.このことは, 一般に低濃度化合物の分解の律速段階となる化合物の細胞への取り込みが, DDTの場合はならないことを示している.これらのことから, 他の炭素源およびエネルギー源の存在下のDDTの細菌による分解には域値濃度はないことが示された.
- 1993-11-20
著者
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片山 新太
名古屋大学農学部
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片山 新太
名古屋大・農
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鍬塚 昭三
Laboratory of Soil Science, School of Agriculture, Nagoya University
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鍬塚 昭三
名古屋大学
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片山 新太
Laboratory of Soil Science, School of Agriculture, Nagoya University
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藤村 佳樹
Laboratory of Soil Science, School of Agriculture, Nagoya University
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