複数周辺色による色の見えの変化と周辺効果の加法性

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概要

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色の見えは, 対比や順応現象を生じさせる周辺光に依存することはよく知られている。特に複雑背景下での周辺効果の定量的解析は, デザイン分野における色の応用のためだけでなく視覚系のメカニズムを知る上でも重要である。本論文では複数周辺色に囲まれた色の見えを調べるために, そのような条件下における色の見えの変化をマッチング法によって測定した。一様周辺パターンの条件における結果は, テス卜刺激の色が周辺色の補色方向にシフトすることを示した。また, 2色周辺パターンの結果がら各色の周辺効果は足し合わされることが示唆された。周辺効果の加法性を定量的に検討した結果, 二色型周辺条件の結果は周辺効果の色によって異なる重み係数を持つ加法式で説明できることを示した。また, 輝度変化の場合と色度変化の場合で重み係数の値が異なること, 及び個人差が存在することを明らかにした。これらの結果は, 色恒常性のメカニズムを考える上でも有効な情報を提供する。
1994-05-01

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