頚部リンパ節転移で発見された微小甲状腺オカルト癌の1例
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概要
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頚部リンパ節転移巣に扁平上皮癌成分があり,診断に難渋した甲状腺オカルト癌の1例を経験したので報告する.患者は64歳男性で,平成11年9月に検診で左頚部腫瘤を指摘され,精査目的で当科外来を受診した.腫瘤は左胸鎖乳突筋外側に位置し.3.7×3.1cm大,弾性硬で可動性不良であり,嚥下との共同運動はなかった.甲状腺に明らかな腫瘤を触知しなかった.甲状腺機能.CEAおよびSCCは正常範囲内であった.サイログロプリンは143ng/mlと上昇していた.頚部超音波検査では3.2×2.8cm大の不整形で内部不均一,境界は比較的明瞭な低エコー像を認めた.甲状腺との連続性はなく,甲状腺内に明らかな病変は認められなかった.頚部CTでは約3cm大の不整形,境界明瞭で,内部不均一な腫瘤像を認めた.腫瘍の針生検で扁平上皮癌の疑いがあり,確定診断のためincisional biopsyを施行し,扁平上皮癌成分を伴う甲状腺乳頭癌の診断を得た.甲状腺オカルト癌の診断で,甲状腺全摘およびリンパ節郭清を施行した.摘出した腫瘍は3.8×2.6×2.0cm大,灰白色,充実性で,甲状腺との連続性はなく,割面でも甲状腺内に明らかな病変は認められなかった.甲状腺の病 理検査で右葉下極付近に0.2cm大の微小乳頭癌を認めた. (Kitakanto Med J 2003 ; 53 : 281〜284)
- 北関東医学会の論文
- 2003-08-01
著者
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森下 靖雄
群馬大学医学部附属病院
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小山 徹也
群馬大学医学部第2病理
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堀口 淳
群馬大学医学部附属病院乳腺・内分泌外科
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堀口 淳
富士吉田市立病院外科
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戸谷 裕之
群馬大学臓器病態外科学
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鯉淵 幸生
群馬大学医学部附属病院乳腺内分泌外科
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飯島 耕太郎
群馬大学医学部附属病院乳腺内分泌外科
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飯島 耕太郎
群馬大学臓器病態外科
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狩野 貴之
群馬大医・附属病院・乳腺内分泌外科
-
飯島 耕太郎
群馬大医・附属病院・乳腺内分泌外科
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飯野 佑一
群馬大学医学部救急医学
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狩野 貴之
群馬大学医学部第2外科
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小山 徹也
群馬大学病理診断学
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戸谷 裕之
群馬大学臓器病態外科
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飯野 佑一
埼玉県立がんセンター研究所
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落合 亮
群馬大学医学部第2外科
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飯島 耕太郎
群馬大学第二外科
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戸谷 裕之
群馬大学医学部第二外科
-
落合 亮
前橋協立病院 外科
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小山 徹也
獨協医科大学病院病理部:獨協医科大学病院病理学
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森下 靖雄
群馬大学医学部第二外科
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小山 徹也
群馬大学医学系研究科病理診断学
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堀口 淳
群馬大学医学部乳腺・内分泌外科
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鯉淵 幸生
群馬大学医学部外科学第二講座
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森下 靖雄
群馬大学医学部 第2外科
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