開心術後急性期における塩酸オルプリノン持続静注の効果

概要

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【目的】関心術後急性期におけるphosphodiesterase m阻害薬である塩酸オルプリノン持続静注の効果を検討した.【対象と方法】肺動脈楔入圧がlOmmHg 以上を示した成人開心術後症例13例を対象とした.集中治療室入室後血行動態の安定した時点から塩酸オルプリノンを0.3μg/kg/minで持続静注し,血行動態の変動を測定した.【結果】心拍数は増加傾向にあり, 120分後以降に有意に高値を示した.体血圧はわずかに低下し,体血管抵抗係数は低下傾向にあった.肺動脈圧および肺血管抵抗係数には著変はなかった.肺動脈楔入圧および中心静脈圧は開始後早期より低下し始め, 120分で有意に低下した.心拍出量は若干増加傾向にあったが,左室一回仕事係数は増加しなかった.pH および base excess はいずれも投与開始後から上昇し, 240分で有意に高値を示した.混合静脈血酸素飽和度も上昇傾向にあった.【結語】開心術後急性期における本剤の持続静注は,前および後負荷を軽減し,左室仕事量を増やすことなく心拍出量を増加させる傾向にあり,術後早期の血行動態の改善に有用と考える. (Kitakanto Med J 2003 ; 53 : 149〜155)
北関東医学会の論文
2003-05-01