乳癌センチネルリンパ節生検 : 色素法と色素・RI併用法の比較検討

概要

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原発性乳癌72例に対してセンチネルリンパ節(SLN)生検を行った.メチレンブルーによる色素単独法(色素法)が18例,色素とTc-99mレニウム併用法(R法)が12例,色素とTc-99mフチン酸併用法(F法)が42例であった. SLNの同定率は色素法15/18 (83.3%), R法11/12 (91.7%), F法39/42 (92.9%)と,色常法でやや低かった.固定したSLNの個数(平均±標準誤差)は色素法2.1±0.4, R法1.1±0.1, F法1.3±0.1で,色素法での個数がR法やF法に比べて有意に(p<0.01)多かった.SLNの同定後,全例にバックアップ郭清を施行した.バックアップリンパ節郭清個数(平均±標準誤差)は色素法13.8±1,R法14.3±1.1,F法14.0±1.3と各群間に差はなかった.SLNの迅速病理結果と腋窩郭清結果の一致率は色素法93.3%,R法90.9%,F法92.3%と差はなかった. SLNの迅速病理結果で転移陰性であった42例中1例(2.4%)でSNLの永久標本に微小転移が認められた.今回の検討で,色素法ではSLN同定率が低く,同定されたSLN個数が多く,色素・RI併用法は同定率,一致率とも良好であることが判明した.
北関東医学会の論文
2004-05-01