横隔膜直下の肝細胞癌に対する胸腔鏡下経横隔膜的超音波ガイドラジオ波焼灼術
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概要
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【背景と目的】肝細胞癌に対する経皮的なラジオ波焼灼術(以下RFA)は,局所療法として有効な治療法の一つである.しかし,横隔膜直下の肝細胞癌は,経皮的に超音波での描出や経皮的な穿刺が困難な場合がある.そこで我々は,胸腔鏡下に超音波プローブを用いてRFAを行い,その有効院と安全性を検討した.【対象と方法】2001年3月から2003年12月までに5症例,7回の胸腔鏡下ラジオ波焼灼術(以下TRFA)を行った.方法として,分離肺換気下に,胸壁の2ヵ所にトロカールを挿入し,それぞれ胸腔鏡と超音波プローブを挿入し,経横隔膜的に腫瘍を描出する.超音波プローブにほぼ垂直になるようにPTCD外套針を経皮的に挿入し,これをガイドとして,RF針を経横隔膜的に腫瘍内に穿刺し焼灼する.【結果】全例がHCV(+)の肝硬変であった.Child-Pughスコアは5〜7点であった.平均腫瘍径は2.4(2.0〜3.0)cm,セッション数は症例1の初回TRFA時に6回施行した他は,各3回であった.平均手術時間は180(90〜280)分,出血量は18(0〜50)mlで,平均術後在院日数は10.4(4〜22)日であった.合併症として,ポート部の熱傷を1例に認めた. RFA術後のダイナミックCTでは,全例で低吸収域となり,治療は有効であると判定した.5症例の平均観察期間は21(7〜33)ケ月であった.1例で術後の局所再発が疑われ,同部に2回同様の手技で治療した.1例に,異所性の再発を認め,動脈塞栓療法(以下TAE)を行った.脳梗塞で24ヶ月目に死亡した1例の他は,全例が無病生存中である.【結語】TRFAは,2つのportで行うことが出来,低侵襲で,繰り返し安全に施行可能であった.経皮的なRFAが困難な症例に対して,新しい治療法になりえる.
- 北関東医学会の論文
- 2004-05-01
著者
-
浜田 邦弘
群馬大院・医・臓器病態外科学
-
浜田 邦弘
群馬大学大学院医学系研究科臓器病態救急医学
-
森下 靖雄
群馬大学大学院医学系研究科臓器病態外科学
-
清水 公裕
群馬大学大学院臓器病態外科学
-
菅野 雅之
群馬大学大学院臓器病態外科学
-
高木 均
群馬大学大学院病態制御内科学
-
小山 佳成
群馬大学医学部附属病院放射線科
-
岡野 孝雄
渋川総合病院外科
-
川手 進
群馬大学大学院臓器病態外科学
-
大和田 進
群馬大学大学院臓器病態外科学
-
佐藤 啓宏
太田福島病院外科
-
佐藤 啓宏
太田福島総合病院
-
岡野 孝雄
群馬大学大学院臓器病態外科学
-
小山 佳成
群馬大院・医・腫瘍放射線学
-
岡野 孝雄
渋川総合病院
-
青木 純
群馬大学付属病院画像診療部
-
川手 進
群馬大院・医・臓器病態外科
-
小山 佳成
群馬大学医学部附属病院 画像診療
-
小山 佳成
愛知県がんセンター
-
小山 佳成
群馬大学医学部附属病院放射線部
-
高木 均
国立病院機構高崎総合医療センター 消化器科
-
高木 均
群馬大第一内科
-
岩波 弘太郎
国病機構沼田病院外科
-
須納田 豊
群馬大学大学院医学系研究科臓器病態外科学
-
岩波 弘太郎
群馬大学大学院医学系研究科臓器病態外科学
-
小山 佳成
群馬大学付属病院画像診療部
-
青木 純
群馬大学付属病院核医学科
-
高木 均
群馬大学大学院病態制御内科
-
高木 均
群馬大学大学院医学系研究科器官代謝制御学講座病態制御内科学
-
川手 進
群馬大学大学院医学系研究科臓器病態外科学
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