胃膠様腺癌の臨床病理学的検討 : 亜分類と組織型別 AgNORs の比較

概要

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胃膠様腺癌61例を非膠様腺癌748例と比較検討した. 膠様腺癌は, 腫瘍径が大きく, 占居部位では全領域,肉眼型では, 3, 4型の浸潤型,深達型は深いもの, リンパ節転移, 腹膜播種が多く, 治療切除率は低かった (p<0.01, 0.05). stage 別5年生存率をみると stageIII, IV 症例では分化型癌に比べ有意に低かった (p<0.05). 膠様腺癌を分化型25例, 低分化型36例に亜分類した. 低分化型は若年者,女性に多く, M 領域, 3, 4型の浸潤型が多く (p<0.01, 0.05), 有意差はないものの腹膜播種が多くみられた. AgNORs Labeling Index を比較すると早期癌では各組識型で変わらなかったが, 進行癌では未分化型癌6.01±0.89, 分化型癌5.21±1.38, 膠様腺癌で有意に高かった (p<0.01, p<0.05). 胃膠様癌は, 細胞増殖能が高いため, 早期発見, 早期治療が望まれる. また, 亜分類によりその生物学的特徴を把握し, 術後 follow up を行うべきである.
一般社団法人日本消化器外科学会の論文
1994-01-01