術後SIRS症例における単球HLA-DR抗原測定の有用性
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概要
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外科侵襲後に認める単球HLA-DR抗原の減少は免疫応答の低下と相関すると考えられている.消化器手術後のSIRS症例を対象に, 単球HLA-DR抗原の変動と術後感染合併の有無, 術前危険因子との関係について検討した.21/28例に術後感染を合併し, 術前危険因子(+)症例(肝硬変2例・DM5例・化学療法1例・放射線療法3例)の単球HLA-DR抗原陽性率は, 第1〜2病日52.4±6.2%, 第3病日63.0±7.0%.第7病日71.8±6.3%で術前危険因子(-)術後感染例に比べ, 術後早期から有意に低値で推移した.一方, SIRS期間の平均日数は術後非感染例2.1日, 術前危険因子(-)術後感染例4.3日, 術前危険因子(+)術後感染例7.4日であった.以上の結果は, 術後SIRSを呈した術前危険因子(+)症例では免疫系の抑制が遷延し, 感染症合併のリスク評価に単球HLA-DR抗原の測定が有用であることを示す.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2001-03-01
著者
-
村上 義昭
広島大学医学部病態制御外科学
-
竹末 芳生
広島大学医学部第一外科
-
横山 隆
広島大学医学部総合診療部
-
檜山 英三
広島大学医学部総合診療部
-
今村 祐司
広島大学医学部総合診療部第一外科
-
小倉 良夫
大田市立病院外科
-
今村 祐司
厚生連広島総合病院
-
赤木 真治
マツダ病院外科
-
今村 祐司
広島大学 総合診療
-
赤木 真治
広島大学医学部第一外科
-
横山 隆
広島大学医学部総合診療医学
-
村上 義昭
広島大学医学部外科学第一教室
-
小倉 良夫
広島大学医学部第1外科
-
大毛 宏喜
広島大学医学部第1外科
-
横山 隆
広島大学医学部第一外科学教室
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