2. m_3, sm_1食道癌症例の検討 (第40回食道色素研究会 I 食道m_3/3m_1の微小, 広範浸潤のみきわめ : 間違って良いもの, 悪いもの)

概要

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1994年8月から1998年8月までの期間に当科で診断され, 病理学的検索がなされたm_3, sm_1食道癌20例を対象とした(m_3;14例, sm_1;6例)。リンパ節転移を認めたものはm_3;1例(7.1%), sm_1;1側(16.7%)で脈管侵襲がみられたものはsm_1のみであった(2例, 33.3%)。内視鏡による肉眼的分類の検討では0-IIb病変3例全例と, 0-IIcを主体とする病変11例中9例にm_3がみられ, 0-1を主体とするもの4例中3例がsm_1であった。腫瘍長径をみるとm_3, sm_1ともに20mm以下のものが多く認められ(m_3;7例, sm_1;4例), さらに径が50mmよりも大きなものについてみると, m_3は0-IIc型の表層拡大型が1側, sm_1は0-IIa+IIc+IIbの混合型が1例みられた。前述のリンパ節転移を認めた症例2例のうち前者は門歯列より35cmの部位に小顆粒状粘膜とその肛門側に陥凹部をともなう長径45mmの病変で同部位はルゴールにて不染帯を呈した。肉眼的分類は0-IIc+IIb, 病理組織学的所見は中分化型扁平上皮癌で深度m_3であった。後者の症例は門歯列より39cm後壁に表面不整な隆起性病変を認め, ルゴールにて同部位は不染帯を足した。肉眼的分類は0-Ip1, 病理組織学的所見は中分化型扁平上皮癌, sm_1, ly(+)であった。
一般社団法人日本消化器外科学会の論文
1999-08-01