大腸癌術後再発症例の臨床病理学的検討 : carcino-embryonic antigen 測定の意義
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概要
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治癒切除術後2年以上経過観察しえた大腸癌147例のうち再発例(41例,27.9%)を対象とし,初回治療時の臨床病理学的特徴と再発の早期診断法を検討した.再発41例の内訳は結腸癌18例(43.9%),直腸癌23例(56.1%)で,再発様式は血行再発が28例(68.3%)と最も多く(1例は局所再発を合併),大腸癌取扱い規約による壁深達度s(a_2)以上,n(+),ly(+),stage III・IV症例に多かった.局所再発は14例(34.2%)であり(1例は血行再発を合併),中分化腺癌,n(+),ly(+),stage III・IV症例に多かった.血行再発と局所再発はそれぞれ89.3%,85.7%の症例が2年以内に再発し,carcino-embryonic antigen(CEA)slope analysisでは局所再発より血行再発でslope値が高かった.CEA値上昇は画像診断より平均3.28か月前にみられ,再発の診断にはCEA値の追跡が最も有用であった.直腸癌では腫瘤触知などの臨床所見も有用であった.再発41例の術後3年生存率は20.3%で再発様式による予後の差はなかった.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 1991-04-01
著者
-
斎藤 洋一
神戸大学医学部第1外科
-
黒田 勝哉
聖隷三方原病院外科
-
奥本 聰
近畿大学医学部外科学II
-
堀田 芳樹
神戸大学医学部第1外科
-
加藤 道男
神戸大学医学部第1外科
-
山口 俊昌
神戸大学医学部第1外科
-
山口 俊昌
神戸大学医学部病理学第二講座
-
奥本 聡
近畿大学医学部第2外科
-
黒田 勝哉
神戸大学医学部第1外科
-
坂根 正芳
神戸大学医学部第1外科
-
奥本 聰
神戸大学医学部第1外科
-
坂根 正芳
神戸大学第1外科
-
加藤 道男
大阪消化管がん化学療法研究会
-
堀田 芳樹
神戸大学医学部外科学第一講座病理学第二講座
-
山口 俊昌
西脇市立西脇病院外科
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