サーメット工具の耐欠損性に関する研究(第1報) : 断続切削性能と破損過程
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概要
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工具の欠損は刃先に周期的な機械的応力や熱応力が働く場合に生じやすい.本研究では強度特性の異なる3種のサーメット工具(TiC単純系, TiN添加系, TaC添加系)を試作し, 工具すくい面に周期的な機械的応力が作用する断続切削を行い, 各工具の耐欠損性を比較した.切削試験は軸方向に4本の溝を付けた炭素鋼丸棒を旋削することによった.切削条件は切込み(1.5mm), 送り(0.2mm/rev)を一定とし, 切削速度を1.25m/sから4.17m/sまで変化させた.実験条件の範囲では工具はすべて欠損によって寿命となった.工具の衝撃回数と累積破損確率の関係はワイブル確率紙上で直線とはならず, 切削初期と後期に破損確率が増し, 三つの欠損領域(初期, 中期, 後期)に分けることができる.強度の低い工具では初期欠損域で寿命となるものが多く, 強度の高い工具では終期欠損域で寿命となるものが多い.また切削速度を上げ, 刃先温度を上昇させると初期欠損域で寿命となるものは減少し, 工具の平均寿命は増加する.
- 公益社団法人精密工学会の論文
- 1982-03-05
著者
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