工作機械主軸のテーパ接合部の剛性

概要

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工作物の加工精度や工作機械の加工能率を検討するためには, 工作機械の付属品の静的, 動的及び熱的挙動を解明する必要がある。付属品の一つであるテーパ接合は, 二つの部品を容易にかつ強固に結合できるため, NC工作機械の自動工具交換装置の部として最近広く使用されている。しかし, ボルト結合やすべり案内面等のような他の接合部と比較してテーパ接合部の挙動に関する研究は数少ない現状である。本論文では, self-holding形のモールステーパとself-releasing形のナショナルテーパの2種類のテーパ接合部の剛性について検討している。ボルト結合やすべり案内面等の開放形接合部において重要な影響因子である接触面圧, 接触面積及び曲げ荷重がテーパ接合部の剛性に及ぼす影響を実験的に把握した。その結果, これらの因子はテーパ接合部の剛性にほとんど影響せず, 剛性低下も一体形と比較してわずかであることが明らかとなった。このような注目すべき挙動は, 閉鎖形接合部の特性によるものと考えられる。
1980-02-05