両側二期的肺容量縮少術を施行した肺高血圧合併肺気腫の一例
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概要
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心カテーテル検査の結果,肺動脈圧53/26(37)mmHgと肺高血圧症を合併していた.先ず,胸腔鏡下に右側肺のLVRSを施行し,5カ月後に左側肺の手術を施行した.初回手術後,約一週間にわたり血疾が遷延したが,止血剤投与のみで改善した.両側術後,自覚症状はHugh-Jones分類では術前IV度よりIII度と改善し,一秒量は術前640mlより840mlと増加した.術後肺動脈圧は55/24 (36) mmHgで術前と不変であった.肺高血圧症を合併した肺気腫症例であったが,二期的にLVRSを施行することにより術後重篤な合併症は認めなかった.また遠隔期においても自覚症状と呼吸機能の改善が得られた.肺高血圧症を合併した肺気腫に対して両側二期的LVRSは効果的で安全に手術を行うために有用な術式であった.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 2002-01-15
著者
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谷口 繁樹
奈良県立医科大学胸部・心臓血管外科
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高濱 誠
奈良県立医科大学 胸部・心臓血管外科
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木村 通孝
奈良県立医科大学 胸部・心臓血管外科
-
櫛部 圭司
奈良県立医科大学胸部・心臓血管外科
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川口 剛史
奈良県立医科大学胸部・心臓血管外科
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川口 剛史
奈良県立奈良病院呼吸器外科
-
根津 邦基
奈良県立医科大学 第3外科
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安川 元章
奈良県立医科大学第三外科学
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根津 邦基
奈良県立医科大学第三外科学
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櫛部 圭司
奈良県立医科大学 放射線医学教室
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高濱 誠
奈良県立医大第3外科
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川口 剛史
奈良県立医科大学 胸部・心臓血管外科
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谷口 繁樹
奈良県立医科大学 胸部・心臓血管外科学教室
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