日本における職業性肋膜中皮腫の増加の兆候
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概要
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日本病理剖検輯報の1974年から1980年の間に剖検された症例の中に, 222例の悪性中皮腫(0.114%)がみられた. 肋膜の悪性中皮腫は, 145例(0.074%)であった. 1974年から1977年までのいずれの症例にも, 石綿症を合併した症例はなかったが, 1978年に1例, 1979年に3例(内1例は自験例), 1980年に2例の石綿症を合併する症例を得た. うち, 女性2例は, 家婦で, 男性4例は, 造船工, 溶接工, 陶工, 製鉄業者であった. これら6症例は, 大型船造船所の多い, 堺市(2例), 呉市, 貝塚市, 長崎市, 神奈川県を(輯報上の)住所としていた. 西欧における石綿の使用量の急増とわが国におけるそれとの時間差に見合った時間差の後, (1978年から)わが国においても, 石綿症を合併した肋膜の悪性中皮腫で死亡する症例が現われはじめたことを指摘した.
- 産業医科大学学会の論文
- 1983-03-01
著者
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