アルコール性脂肪肝における虚血再灌流後の細胞壊死とアポトーシス機序について

概要

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[目的]アルコール性(ア性)脂肪肝では虚血再灌流後に肝細胞のアポトーシス(Apo)と細胞壊死が高度に出現する。今回、肝細胞内外の要因に分けて、この細胞死メカニズムを解明する目的で、in vivoとin vitroの検討を行った。[方法]ラットに液体飼料を6-8週間投与し、ア性脂肪肝(A群)と対照群(C群)を作成した。(A:in vivo)GdCl_3またはdiethyl maleic acid (DEM)を前投与し、それぞれ、肝マクロファージ(mφ)機能抑制とグルタチオン(GSH)低下群を設定し、30分間部分肝虚血後、商灌流した。4時間後に、1)血清GPT、肝組織像2)CINC-1(rat IL-8 mRNA定量3)肝のCINC-1活性、DNA断片/ヒストン量とGSHを定量。(B:in vitro)A群とC群より分離した肝細胞にDEM,NAC,cyclosporin A(CyA)を添加し、3時間低酸素培養後、再酸素化(H/R)。4時間後に1)壊死細胞・Apo数を計測、2)monochlorobimane,Rh,DCFを用いて、GSH、ミトコンドリア膜透過性、活性酸素(ROS)産生を共焦点レーザー顕微鏡(LSM)で検討した。[成績](A)1)GdCl_3投与したA群では、CINC-1レベル、細胞壊死が有意に抑制された。2)肝GSHレベルは、A群ではC群に比して有意に低く、DEM投与で低下した。DEM投与により、細胞壊死とApoの程度は増強したが、CINC-1レベルと好中球浸潤は不変であった。(B)1)H/R後、A群では細胞壊死とApoが惹起された。このApoはCyA添加でブロックされた。2)A群ではC群に比べ、細胞内GSHレベルが有意に低く、H/R後のDCF蛍光強度は有意に高く、Rh蛍光強度は低値であった。A群では、DEMやNAC添加は、Apoをそれぞれ、有意に増強または抑制した。[結論]ア性脂肪肝で虚血再灌流が惹起する肝細胞死では、主に、肝細胞内要因(GSH低下を介したROS産生亢進)がApoに関与し、また、肝細胞外要因(活性化mφ)が細胞壊死をdriveする可能性が示された。
2002-03-01

アルコール性脂肪肝における虚血再灌流後の細胞壊死とアポトーシス機序について

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