種子島の気候・風土に根ざした住生活 : M集落の事例研究

概要

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温暖地域で、高度経済成長期前からの住生活の変容過程が地域的にまとまって把握できる事例として種子島M集落を対象に、気候・風土に根ざした住生活の実態を調査した。その結果、つぎの点があきらかになった。1.現在も伝統的な室名呼称・機能を伝承している住宅は多いが、、近年、住生活の改善が進んでいる。2.しかし、「掃き出し」の開口部の多用、敷居の3本溝の多用など、温暖湿潤な気候・風土に対応した伝統的な住生活法を現代に伝承している。3.かっては、高い床下をもつ住宅が多く、地域ぐるみの床下の定期的な点検・掃除は、シロアリや住宅瑕疵の早期発見機会でもあり、コミュニティ形成の手だてでもあったが、近年、コンクリート基礎に変わりシロアリの害や柱の腐食には防蟻材や防腐剤で対応している。ハード面だけでなく、日常の住まい方や住宅管理法に受け継がれている住生活法を学び、次世代に伝承していくことの重要性が指摘できる。