煮熟小豆のにおいに及ぼす渋切り処理の影響
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概要
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小豆の調理操作の一つである渋切り処理が煮熟小豆のにおいに与える影響について明らかにする目的で、渋切り処理及び無処理小豆のにおい濃縮物や、渋切り処理時に捨てる煮汁、および、加熱時間の違う小豆のにおい濃縮物について、GLC、GC-MS分析し、各種におい成分を同定して、加熱による小豆のにおい成分の生成と渋切り処理の効果について検討した。また、官能検査も実施した。結果は以下の通りである。1.試料とした北海道産寿小豆の煮熟臭成分として、今回新しく同定した3-メチルブタナールとN-ヘキサナールを含む38成分を同定および推定した。これらアルデヒドや低沸点のアルキルアルコールなど青臭い生豆様の不快臭成分は、加熱の初期から発生し、加熱により除去されることがわかった。3.渋切り処理の際捨てる煮汁を加熱抽出することにより、甘いにおい成分の生成が認められ、煮汁中ににおい成分の前駆体が既に溶出していることが判明した。4.官能検査において、渋切り無処理小豆の方がにおい、渋みともに濃厚とされ、化学的分析の結果と一致した。
- 日本調理科学会の論文
- 1987-12-20
著者
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