小ウメ果実の香気成分
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概要
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ウメ(Japanese Apricot, Prunus mume sieb. et Zucc)の果実は酸度が高いため、生果を食用とすることはなく、古くから加工品として用いられている。現在では塩漬け、梅干し、梅酒、ジャム、ジュース、練り梅など、加工利用方法は多岐にわたっている。山梨県においては、主に小ウメ果実を未熟な段階(青梅)で収穫後、塩漬けしてその硬いテクスチャーを楽しむ梅漬け(通称、カリカリ梅漬け)が多く生産されている。また、同様の段階で梅酒用にし、さらに成熟した段階では梅干し用として利用されている。 果実の硬度は熟度によって変化し、加工適正に大きく影響するため、ウメの収穫時期と各種成分との関係や塩漬けの硬度に関する研究は山梨県内の研究者を中心に行われている。しかし、ウメ果実の香気については亀岡らによる基礎的研究と石田による完熟果実香気の報告のほかはなく、梅加工品の香気については梅干しや梅酒について若干の報告があるのみである。 未熟・成熟段階の果実には梅加工品の特徴香気はなく、これは加工におって果実の仁中のアミグダリンが酵素分解されることにより生成するベンズアルデヒドが、生果肉には存在していないためである。しかし、香気成分の加工中に経時変化や風味に及ぼす影響については不明な点が多い。さらに、原料のウメ果実の香気が梅加工品の風味に影響することも考えられるため、梅加工品の香気研究の基礎として、生果の熟度と香気成分の関係について分析・比較することとした。試料は香気に関する報告のない小ウメ果実(甲州小梅;山梨県産)を用いた。
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