スープストックのフレーバーにおよぼすタマネギ添加の影響
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概要
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牛すね肉を用いたスープの調製の際に添加するタマネギが好ましいスープ香気形成に果たす役割について検討した。(1)スープ調製の際に除去する"あく"の由来の香気成分をSDE法で捕集し,CGおよびCG-MS分析して45化合物を同定,推定した。脂肪の酸化分解により生じる閾値の低い不快臭物質である脂肪族アルデヒドがCGピーク面積の43%を占め,肉スープの主な不快臭原因と考えられた。(2)スープ中の揮発性の脂肪族アルデヒド含量は肉のみスープに比べ,肉の不快臭が緩和されているタマネギ添加スープで少ないことが判明した。よって,タマネギ添加により脂肪族アルデヒドの生成が抑制され,スープの好ましい香気形成に寄与していることが明らかとなった。(3)コーン油を多量の水中で加熱した場合,タマネギ添加によりアルデヒド生成は抑制されるが,タマネギの揮発性成分に抑制力はなく,アルデヒド生成抑制にはタマネギ中のケルセチンとその他の不揮発性成分の関与が考えられた。
- 日本調理科学会の論文
- 1999-11-20
著者
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