Chaud froid Sauce のレオロジー(第1報) : 特性温度のゼラチン濃度依存性
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概要
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滴下法によりショーフロアーソースの粘性率の温度依存性及びゼラチン濃度依存性を調べた結果、ショーフロアーソースはゼラチン濃度により異なるが、20〜40℃の温度領域にゾルーゲル転移温度を持つことを見いだした。この温度よりソースの温度が低下すると急激にゲル化現象が起こり固化する。そのため、ソースをうまく仕上げるためには、調製する部屋の温度、ソースをかける素材の表面温度、表面状態等により影響されるが、この温度を如何に設定するかにかかっている。今回行った実験の条件(素材の温度:4℃、室温:20℃)において、Bの試料ではT^*が室温近くなり、固化するのに時間がかかりすぎ、流動性の高い温度領域が広すぎ、ソースが素材より流れてしまう場合が多く厚みも薄くなる。しかし一度ゲル化が始まるとその変化は大きいため、調製に失敗する割合が高くなる。一方Aの試料においては、試料調製直後(約50℃)の粘性率がBに比べ、約10倍も大きくやや調製しにくいが、素材より流れ落ちる危険性は少ない。またソースの温度が降下するにつれ、確実に粘性率が増加することが認識できるため、ソースの温度を測定しなくても粘性率の変化でT^*を予想することができる。調製の際にソースの温度を測定しながら行えば、どのようなゼラチン濃度でもT^*前後でソースをかければうまくゆくが、実際には温度計測を行いながら調製することはない。従って、ゾルーゲル転移温度、すなわち固化のタイミングを見いだしやすい試料がよいと思われる。また、ソース表面のつや、弾力性、流れ具合いなどからもゼラチン濃度の高いAの試料がよいと思われる。以上のように、ゾルーゲル転移温度T^*で調製するときには、Aの試料の混合比が良い結果を示した。
- 日本調理科学会の論文
- 1987-11-20
著者
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