ナスの渋味におよぼす食用油の影響
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概要
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1. 食用油を添加した煮ナスは渋味が弱められ, 味がまろやかになる。2. 5種の調理法別のナスの渋味は最も強いものは蒸すであり, 弱いものは炒める, 揚げるである。3. 食用油添加, 無添加煮ナスの全ポリフェノール, クロロゲン酸量には差はみられなかった。4. 5種の調理法別ナスの全ポリフェノール量は煮ナスが最も多かった。クロロゲン酸量は蒸しナスが最も多く, 次いで揚げナスであった。5. 調理法別ナスの全ポリフェノール中のクロロゲン酸の割合は蒸しナス, 揚げナスが高かった。6. ナスのもつ独特な渋味はクロロゲン酸のカフェイン酸部分によると思われる。7. カフェイン酸溶液に食用油を5%添加すると, 渋味の感じ方が弱められる。0.6×10^<-2>mol/lにおいては0.14×10^<-2>mol/lに相当する渋味が弱められる。8. 食用油が渋味の感じ方を弱めるのは調理の際に食用油が渋味成分の量を減少させるのではなく, 食用油が渋味成分を溶解する, あるいは舌面との接触を断つためである。
- 日本調理科学会の論文
- 1986-07-20
著者
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