調理における加熱に関する研究 : 第2報 : 食塩の添加が馬鈴薯の加熱に及ぼす影響
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概要
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第1報における水溶液加熱を食塩溶液の加熱,しょう油溶液の加熱に変え,初期加熱をA,B,C方式として実験した結果をまとめると,(1)A方式(等速の温度上昇)は最も効率が悪い。(2)B方式は沸騰までにおける初期の急激なる加熱が絶対的な効果を表わす。(3)沸騰までの後半に急激なる加熱を行うC方式は,沸騰の継続によってその効果が現われる。(4)いずれの方式においても,水溶液中におけるバレイショの加熱よりも糊化度がやや劣るものである。(5)食塩溶液中の加熱としょう油溶液中の加熱と比較すると全体として後者が糊化しにくい結果となっている。しょう油中の食塩自体の成分の影響と思われるが,今後の検討を待ちたい。なお,この加熱における食塩の影響は,バレイショのデンプン以外の成分の変化も考えられるし,第1報において沸騰までの温度上昇,温度下降の際の酵素の失活,賦活についての配慮が必要であろう。
- 1977-09-20
著者
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